本州最北端だからなんだ

今更感満載のておくれ日記

セキュリティ・キャンプ2017 ~準備編~

 

はじめに

22歳までの学生が応募することが出来、技術的に恐ろしいプロ学生が集うセキュリティ・キャンプ。

そこへ最年長(4月生まれ22歳)で参加した、セキュリティ学習歴1年未満の圧倒的技術不足な残念さんのお話。

 

セキュリティ・キャンプとは

www.ipa.go.jp

独立行政法人 情報処理推進機構 (IPA) が主催する、「情報セキュリティに強い若者発掘して育てようぜ」イベント。

毎年8月の某巨大祭典の前後に「全国大会」を東京で、それ以外の月には各地方で「地方大会」を不定期でやっているみたい。

www.security-camp.org

全国大会は5月頃に課題が提示され月末に締め切られ、応募者の中から50人を選抜して東京に無料でご招待。

毎年4倍くらいの倍率で年々応募者数が増え気味らしい。

今年は幸運にも参加者枠が増え、例年50名だったものから「選択コース」50名, 「集中コース」30名へと拡大された。

ありがとう自民党政権

「選択コース」は数ある講義の中から自分で受けたいものを選んで時間割を作れるコース。

「集中コース」は1つのテーマに会期中全ての愛を捧げる高度なコース。

数多くのプロたちが集中コースに行ってくれたおかげで(?)選択コースでの参加が叶った。

 

セキュリティ・キャンプとの出会いの話

セキュリティ・キャンプそのものの存在を知ったのは2016年秋のこと。

私の住む地域で「CTF for Beginners」と「セキュリティ・ミニキャンプ」が同じ年に開かれ、

そんな奇跡的なタイミングで大学の「セキュリティ() 研究室」に配属されたのが情報セキュリティとの出会い。

地方大会は2日間で行われ、1日目が「一般講座」, 2日目が「専門講座」で構成されている。

2日目は学生のみ参加が許され、応募課題をこなした者から抽選で20名くらいが技術的で高度な授業をハンズオン形式で受けられる。

当時「セキュリティ? 何それおいしいの」状態であった私は2つのビッグイベントに興味が無く、ミニキャンプは定員割れして募集期間が延長されたタイミングで、教授に「みんなで行って」と促されての応募だった。

ゲームのチートに関する内容で事前課題が出されたのですが、「定員割れしてるなら通るだろ」とOverWatchの片手間に書いた1問1答レベルの残念な応募用紙を提出した結果、見事に同期4人中1人だけお祈りされてしまった。

 当時は何とも思わなかったものの、キャンプ後に楽しそうに話している同期の輪に混ざれるわけも無く、一人だけ話題にも技術的にもておくれてしまった私は、

後悔の念に苛まれた結果「そうだ全国大会、行こう」と巻き返す決意をモチベーションにして募集までの半年間を生きてきた。

 

応募に至るまでの話

大学4年生になると、同期は全く研究室に来なくなってしまった。

1人寂しく研究室で教授の雑務をこなす毎日でしたが、ある日偶然こんな話が来た。

ガラケーからスマホに買い換えようと思うんだけど」

MNPおじさんだった私に相談を持ちかけてきたのは、学籍番号が隣なだけで際だって仲がいいわけでも無い同じ学科の人だった。

彼にケータイ会社の乗り換えを勧めていくなか話に花が咲き、相談タイミングも相まって一緒にキャンプに応募する急展開が発生した。

「ひとりぼっちは寂しいもんな」

「一緒に事前課題解いていこうぜ」的な残念な話では無く、モチベーションを高め合うための戦友的な関係だった。

事前課題から当日の講義選択に至るまで彼と一緒のものを選ぶことはありませんでしたが、彼の存在はぼっちの私には大きかったと思う。

さて、大体応募課題公開から提出までの期限が1ヶ月ほどあった。

会場では「2日前にさらっと書いたわww」とか「全部で3時間もかからなかったかな…」みたいなプロに沢山お会いしたが、

セキュリティ界のスライムな私は課題の内容を飲み込み手を動かして理解し、文章を書き連ねるのにかなりの日数を費やしたように思う。

「技術力がないぶん時間量でカバー」

同じ研究室内の先輩に2年前の参加者で「県内で最初のセキュリティ・キャンプ参加者」という聞こえのいい肩書きを持った方がいたため、質のいいアドバイスを受けられる環境であったことも応募用紙が通過した要因かも。

 

応募用紙の話

応募用紙については恐らく多くのプロが晒していると思うが、私なんぞの低クオリティを晒しても仕方がない。

そこで、来年以降応募を考えているそこの君に1つだけアドバイスを書き残しておく。

応募用紙には「共通問題」と「選択問題」の2種類があり、全体像は以下のリンクのようになっている。

https://www.ipa.go.jp/files/000059682.pdf

書き始めた私が最初に「ゲッ」と書くことを躊躇ったのが

「あなたが今まで作ってきたものにはどのようなものがありますか?」という1つ目の問題。

過去の参加者が晒してきた応募用紙を見れば分かるとおり、なんかスゴいモノをスゴい数自慢しているっぽい。

 

heruwakame.hatenablog.com

「作ってきたモノなんか無い」そう断言できるレベルの私を後押ししてくれたのがこのツイート

キャンプの応募期間に焦って作ったRaspiルータの残念なお話と大学で作っていたショボイCTFスコアサーバの話しか書けずに困り果てたわけだが、

 「他の参加者が色々作っていた期間に自分は何をしていたのか?」

そんなことを考えたら趣味のお菓子作りが頭を過ぎり、共通問題1はシュークリームのネタを沢山書き殴った。使っている愛機のオーブンから試行錯誤してたどり着いた業務用生クリームのメーカの話まで。他の2つの技術的な話よりもシュークリームが長くなってしまってもはや何の応募か分からなくなった。

「セキュリティ関係」の縛りが無い以上、人間必ず何か作ったモノとエピソードは持っているはずなので、尻込みしないで書いてみると意外と評価されるかも、というのがアドバイス

Twitterで「作ったもの無いし過去の応募者見てると自分なんか応募できない」的な呟きを見かけたが、その気になれば1ヶ月で何か作れるわけだし、頭を柔らかくして別のアプローチもありますよという話。

シュークリームをありったけ自慢した応募者なんていないだろうから、作った数が少なくてもクオリティが低くても、尖り具合だけはK点超えだったと思う。

 

 

さいごに

応募課題を触ってみるだけてもかなりの量の知識・技術と出会うことが出来る。

興味が少しでもあれば是非触ってみて、応募してみてはいかが?